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などという、私達を明かに馬鹿にしたメールが届いていた。
………というより、わざわざ自分からTЯAP(罠)を仕掛けたというメール自体があからさまに胡散臭かった。
それよりも私達が行うべきは、アメが託したこのメッセージ。
『放送室に行って。そこに黒幕の秘密があるかもしれない。』
残り時間を考えても、寄り道している時間も惜しいが、私はそれ以上にこのふざけた脱出劇の発案者が許せなかった。
必ず突き止めてみせる。
その勢いで私は腰を上げようとした。
「あのさぁ、せっかくだから確認しておきたいんだけど……」
マヤが発した台詞により、私の浮かせかけた腰を元の戻さざるを得なかった。
「萩野はさぁ、前に一度これと同じのを経験したって…………本当?」
「……………」
マヤは意外にも核心を突いた事を聞いてきた。
確かに前にそんな話を聞いた気がしたが、聞いただけで真偽は定かではない。
またそれ以上の事は私も知らないので、実は割と気になっていた。
萩野が経験した。
これ以前のTЯAP HiGH SCHOOL。
「もしそれがマジならさぁ………萩野が脱出した後、どーなったわけ………?ウチら、どーなるの……?」
「……………」
「それにおかしくない?これだけ大きな爆発や崩壊があったのにサイレンの音一つ聞こえないなんて変だって?警察は?救助隊は……?」
マヤは間髪入れずに質問をぶつけてきた。
でも、確かに冷静にいられる方がおかしい。
わずかこの数時間でクラスメイトが5人もいなくなる日常なんてありえないのだから。
私達の目の前にあるのは、完全に日常から切り離された。
非日常なのだから。
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