第4章【彼の闇と彼女の光】

3/17
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/113ページ
「なんで和樹くんは私を“細川さん”って呼ぶの?」 「…………え?」 和樹は予想外すぎて、しばらくフリーズした。 「いや……フツーな呼び方じゃない?」 「フツーじゃないよ。何かスゴい他人っぽいじゃん。」 彩はじぃっと和樹を見つめている。 「そっ……そしたら何て呼べばいいの?」 「私はさ、初めて会った時から“和樹くん”ってよんでるんだよ?」 彩は信じられないといった様子で和樹を見ている。 「“彩”って呼ぶに決まってるじゃない。」 彩はさも当たり前という感じだが、和樹にはかなり厳しい事だった。 なんせ同学年の女の子と会話もろくにしてないのだ。 名字でなく名前で呼ぶにはかなりの抵抗があった………というよりは、 (名前呼びとか……めっちゃ恥ずかしいじゃん!!) ただ恥ずかしいだけだった。
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!