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「なんで和樹くんは私を“細川さん”って呼ぶの?」
「…………え?」
和樹は予想外すぎて、しばらくフリーズした。
「いや……フツーな呼び方じゃない?」
「フツーじゃないよ。何かスゴい他人っぽいじゃん。」
彩はじぃっと和樹を見つめている。
「そっ……そしたら何て呼べばいいの?」
「私はさ、初めて会った時から“和樹くん”ってよんでるんだよ?」
彩は信じられないといった様子で和樹を見ている。
「“彩”って呼ぶに決まってるじゃない。」
彩はさも当たり前という感じだが、和樹にはかなり厳しい事だった。
なんせ同学年の女の子と会話もろくにしてないのだ。
名字でなく名前で呼ぶにはかなりの抵抗があった………というよりは、
(名前呼びとか……めっちゃ恥ずかしいじゃん!!)
ただ恥ずかしいだけだった。
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