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チラリと彩を見る。
彼女は微動だにしない。
「あの~……細川…さん?」
「………」
(ここは恥ずかしいけど……やるっきゃないな!!)
和樹はようやく決心した。
「ヨロシクね……彩…さん?」
「………」
無視。さん付けはダメらしい。
「彩……ちゃん?」
「………」
無視。ちゃん付けもダメなようだ。
「彩……様?」
スパーン!!
スリッパで叩かれた。様付けはお気に召さないようだ。
(やっぱ呼び捨てかよ……恥ずかしいけどやるっきゃないかぁ…)
和樹は深呼吸し、真っ直ぐに彩の目を見つめる。
彩は和樹に見つめられ、軽く頬を染めた。
「よ……ヨロシクね。あ……あ、彩!!」
和樹は真っ赤になりながらついに彩を名前で呼んだ。
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