第4章【彼の闇と彼女の光】

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チラリと彩を見る。 彼女は微動だにしない。 「あの~……細川…さん?」 「………」 (ここは恥ずかしいけど……やるっきゃないな!!) 和樹はようやく決心した。 「ヨロシクね……彩…さん?」 「………」 無視。さん付けはダメらしい。 「彩……ちゃん?」 「………」 無視。ちゃん付けもダメなようだ。 「彩……様?」 スパーン!! スリッパで叩かれた。様付けはお気に召さないようだ。 (やっぱ呼び捨てかよ……恥ずかしいけどやるっきゃないかぁ…) 和樹は深呼吸し、真っ直ぐに彩の目を見つめる。 彩は和樹に見つめられ、軽く頬を染めた。 「よ……ヨロシクね。あ……あ、彩!!」 和樹は真っ赤になりながらついに彩を名前で呼んだ。
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