帰省そして規制

1/6
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

帰省そして規制

ガタン...ゴトン...ガタン.....タン.... 。 ケイトは電車に揺られながら小説を見ていた。 仙台の駅前のコンビニで買った小説だ。 読み始めるとやはりというべきか、これが糞つまらない。 いつもならばすぐにカバンにしまいあとで家の本棚にしまい込むのだが、今日ばかりはそうもいかない!なにせ長旅なのだから。 遡る事3ヶ月前、ケイトは遅刻しそうなギリギリの時間に、会社に出社した。 自分の椅子に腰かけ、パソコンに手を伸ばしたその時。 会社の上司である平林に軽いタッチで言われた。「おぅ!ケイト、昨日部長から渡されたリストラの人員名簿、あれにお前名前載ってたからさ。悪い事はいわないから辞職したら!?辞職なら退職金は多めに出るみたいだぞ!」 「はぃっ?」 夢ですかね。と自分に問いかけたが答えは聞かなくても理解していた。 そこから1ヶ月で会社をあっという間に辞め、ダラダラと就職活動と飲み会をしていたら、ついには家賃を払えなくなってしまった。 仙台に飲みに着ていた地元の友達にそれを話すと「うちで雇ってやるか? お前も社長知ってるんだし問題ないだろ。」と有り難いお言葉を頂いた。こいつの名は拓巳。 中学の同級生で今は地元で一番有名なショップの店員をしている。 そこの社長の渉先輩と俺は昔から仲が良い。というのも、渉先輩も俺もヤンキーだったからという事からきている。 田舎のヤンキーは横も縦も繋がりが深いのが特徴のだ! だから自然とヤンキーの知り合いが芋づる式に増えるのである。 渉先輩は俺らより3つ上なのだが「タメと遊ぶよりお前らと遊んだ方が好きなんだよね」といつも色んな事を教えてくれた。 だからその渉先輩のところで働けるのであれば問題なんかないと潔く言った! その結果アパートを引き払い、実家に帰ってくる事にしたのである!! そうと決まればすぐさ!と荷物をまとめ今日の昼に仙台を発った。 で、現在電車内です。 これがこの不思議な物語の始まり。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!