転職と綱渡り

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住む…以外に当たり前だが、色々な問題点もある。 妻は、その点もよく考えてくれていた。 『生活』に対して私の数歩先を考えている。 流石というか見習う点が多い。 これは投げやりでも逃げてもいないが、妻に任せようかとも考えた。 なぜか今回は妻の言う事が正解に近道な気がしたから。 無責任と思われるかもしれない。 私は精神状態がまいってしまっているのだから。 しかしあまり良い言い方ではないかもしれないが、妻が言う事が最近になって、説得力を帯びて来た。 母という存在は素晴らしい。 昔は出来なかった事も今では、すんなりこなしている。 それなりに苦労はしているのは理解しているが、それにしても感心、見習える点が多い。 客観的に物を言うなら、私も何か良い所が一つくらいあるのかもしれない。 あると信じたいと思うのが個人的な本心だ。 無いなら無いで、今、気付く事が出来てよかったのかもしれない。 いつか家族に「すごいね」 この一言を目標にしてみようと思う。 なかなか難しいかもしれないが、もし感じさせる事が出来たなら、それは『お互いに成長させる』という事に繋がると思わない? 私だけでは出来ない成長。 妻だけでは出来ない成長。 子供だけでは出来ない成長。 客観的な言い方だが、必ず、それぞれにしか出来ない『成長の形』があると思う。 どんな形かは、みんな違うだろう。 どんな色かもわからない。 けれど、それを創るための衝突、落胆、喜楽ならば、いくらでも繰り返していかないと、解り合えないものだとも思う。 元々は他人。 冷たい言い方だ。 育った環境が違う。 だから必要なんじゃないのかな? お互いに真剣に考えている、いい証拠じゃないか。 その時は嫌な思いも辛い思いもするけれど、少なくとも私は 「一生みんなといる」 と言い切れる。 私が言うのも説得力のかけらもないかもしれないが、 なんと言われても10年後20年後に笑っていられたら私はそれで幸せだな。 それまでに絆は、深くなっているはずだから。
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