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準備を終え、早速早朝訓練に向かった二人。現場でゼフィアとも合流したのだがどこか元気がない。
「どうしたの姉さん。元気無さそうだね」
「ええ……まぁ、ね」
「へっへー、なんや。生理かいな」
「喉潰すわよ」
ツヴァイのニヤニヤした表情が一瞬にして凍り付く。ゼフィアが目にも留まらぬ早さでナイフを突きつけてきたからであるが……。
「す……すまんて」
「分かればいいのよ。まぁそんなことより何故フェイト君は見るからに重そうな金属の塊を背負ってるの?」
フェイトは三人と少し離れた場所で立っていた。ワイヤーで固定された鉄の塊を背負いながら。
「……気にすんな」
「気にするなぁ~。気にしちゃうんだなぁフェイト君……」
表情に冷や汗さえ浮かべ始めたフェイトに詰め寄り、意地の悪そうな笑みを浮かべつつ金属の塊に手を置いて体重をかけていく。ただでさえ限界の人間にこれはつらい。
「お……止めろテメっ……」
「止めなよ姉さんっ」
「もっとやれーっ」
止めるヴィンセントに煽るツヴァイだったが結局ゼフィアが止めることはなく……。
「らっ……ランニングしてるときに蹴った石が教官に当たっちまったんだよ……メガネに当たって割れたみたいで説教食らった上のペナルティらしい」
「あはは、なにそれくだらないっ」
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