もしもティアがザドだったら───

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女の子を探すにも腹の空き具合がハンパなかったフェイト君。 根拠のない腹の危機を感じたフェイト君は、とにかく何か食べようとして、安い食事が食べられる屋台へと視線を移す。 …が。 「お兄さんッ! これ、どこのお金だよッ!?」 「どこのって……しっかりと五百¢と書いてあるだろうが!!」 「子供銀行ってなんだよ!! ただの厚紙に五百¢って書いてあるだけだろうが!!」 …。 屋台のおじさんがなにやらサングラスを逆さまにかけてかっこいいと思っているお兄さん相手に躍起になっている。 そのお兄さんは頭のネジが2、3本吹っ飛んでいるようで……。 (え……?俺のターゲットってあんなバカを絵にしたようなやつなのか?) フェイト君は目当ての兄さんを見つけ、その屋台に近づいていき、兄さんの横に並んだ。 「おっちゃん、このバカの食べたのいくらだ?」 「おォ兄ちゃん代わりに払ってくれるのか?」 隣の女の子は、キョトンとしている。 「50000¢だよ、兄ちゃん」 (五百じゃねェーでやんのッ!!) 現在のフェイト君の所持金は、宿代をさっ引いて500¢しかない。 「おっちゃん…ここは世間知らずの兄さんを助けた俺に免じて100¢に…」 「50000¢だ」 「…」 フェイト君は顔を真っ青にしながら兄さんをおっちゃんに渡す。 「取り敢えず警察いこうぜ!な!」
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