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人の楽しそうな声、今流行りの音楽、思わず眉をしかめそうな周りの騒音。
そんな雑音よりも一番煩いのは、自分の息遣い、心音。
「…多分、ね。アンタね、気付いてもないし、知ってもないと思うの。
だから、聞いて…?」
どうしよう。
聞いてと言ったのは良いものの、頭の中パニックで真っ白だし、声も上手く出ないし、何て言って良いか解んないし、心臓バクバクだし、変な汗でてきそうだし。
…本当にどうしよう?!
「ぁ、あのね?
アタシ、最近良くアンタの近くに居たり、と喋ったり、遊んだりするでしょ?
どうしてだと、思う?」
今目の前に居る相手、
大津木 雅光(タツキ マサミツ)
は多分、アタシ、
西崎 舞夜(ニシザキ マヤ)
を見ていると思う。
アタシはと言うと、勿論大津木を見れる訳がなく、必死に自分が寄り掛かっているUFOキャッチャーの中に入っているストラップを見遣る。
「…只単に、勝元 友里(カツモト ユリ)が居るからとか、話し易いとかじゃないの?」
「…ううん。
少し前に話が凄い盛り上がった時位から、気になってたの。
今迄あんなに話が合った人なんて、居ないから…」
時々泣きそうになりなが話しても、大津木にはあまり意味が伝わってない様に思える。
このままダラダラ喋っても埒があかないので、思い切って言ってみる。
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