159人が本棚に入れています
本棚に追加
/278ページ
「とりあえず座って下さいよ、貴絵さん」
舌打ちが音になって出たことに自己嫌悪しながら、極力動揺を悟られぬよう俺は言った。
貴絵さんはエド・はるみと薬師丸ひろこの、あまり具合がよくないところを足したような風貌の人だ。
『微妙』という言葉がハマる女。不細工じゃぁないけど、綺麗でも可愛いくもない。けど男はセクシャルなアピールに弱い。で、彼女からはフェロモンが、体中の毛穴から発している。
「相変わらずセクシーですね」
イジりかた間違った、と声に出してから、俺は気が付いた。
貴絵さんは血走った眼を俺に向けて
「飢えてるね、新ちゃん」
と、貴絵さんは自身の唇をベロンと舐めて俺の頭を掴んだ。
最初のコメントを投稿しよう!