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「おはよう、新(しん)ちゃん」
ゴールデンウィーク明けの土曜日23時、B'sのカウンターで一人焼酎のロックを飲んでいると、貴絵(たかえ)さんが俺の肩を叩いて声を掛けてきた。
「ああ、今晩は。貴絵さん」
振り返って彼女を見ると、既に相当の量のアルコールを摂取しているのがすぐに解る赤ら顔。ややこしい夜になるぞ、と心の中で俺は舌打ちをした
貴絵さん……俺より4歳上の42歳。バツイチで現在独身。一回り年下の男と同棲している。彼女と初めて会ったのは1ヶ月前だ。その時あった事は別の機会に語る事に。
「飲んでる~新ちゃん」
貴絵さんは、俺の背中に胸を押し付けて派外絞めをしてきた。
彼女はシャネルがお気に入りで、その日もシャネルの黒のコンサバなスーツを着用してた。
「胸、がっつり当たってますよ」
首を左斜め後ろにひねって、俺は言った。
「気持ち良いでしょ」
やはり、痴女モードだ……俺は、今度は声に出して舌打ちした。
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