宍戸亮編

3/3
前へ
/19ページ
次へ
【甘/恋人】       やべぇ... 俺、好きな奴泣かすことしか出来ねぇ...     「…ぐすん」 『…マジでゴメンって……』 「…何で髪切っちゃったの??」     俺がレギュラー落ちし髪を切った日、彼女に泣かれた。     『けじめっていうか…』 「髪切ったらレギュラーに戻れるの??」 『それは…』     こいつの涙だけは勝てる気しねぇ…。     「亮の長い髪…綺麗で好きだったのに…」 『………なんだよ、ソレ』     真実がボソッと呟いた一言が引っ掛かった。 まるで髪に惚れたみたいじゃねぇか…。   『だったら髪が長くて綺麗な奴探せよ』 「……何でッ」   真実の顔見ずにひどいコト言っちまった。 激ダサだな…。     「……やだ…そんなの絶対イヤッ!!」     丸まって泣き出した真実をじっと見つめることしか出来ねぇ…。 手を伸ばせって頭で考えても体が動かねぇ。         「……亮だから綺麗に見えるの。亮の髪だから好きなのに……っ…亮じゃなきゃ意味ないの!!」     『………………』       言葉にならなかった…。 俺じゃなきゃって…………どんだけ俺を好きなんだよ////     「亮が好き…髪が短くてもちゃんと好きだからッ……嫌いにならないでッ!!」 『なるかよ、バーカ』     丸まったままの真実をギュッと抱き締めた。         『俺も…………真実のコトすっげぇ好きだから』    
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加