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平成16年 4月3日 早朝
新入生や新社会人が通り過ぎる東京都は赤坂の町を、私はキャンプ用品一式と食量、現金十万円、その他の物を背負って歩いていました。
見送りは居ません。
何故なら、『誰にも言わずに』出て来たからです。
一様置き手紙は書いたが、それに気がつく迄に時間は掛かるはず。
平たく言えば、『家出』だ。
家族に捜されて説教をされるのも嫌だし、格好悪いので、私は早く赤坂の町を出たいと考えました。
しかし交通機関を使うと、早くも予算を使うと事になる。
当然それは避けたい。
そこで、先ずは新橋を目指し、更にそこから海沿いを目指して見る事にした。
幸い、新橋には頻繁に行っていたので、30分も歩けば直ぐにSLがある広場に出れる。
更にそこから出ている『ゆりかもめ』の線路伝いに歩いていけば、海に出られると考えたからだ。
『ゆりかもめ』の線路の下を荷物をガシャガシャと揺らせながら歩いていくと、高層ビルの切れ目に都会独特の汚い海が見え始める。
水と信じられない程真っ黒な水面には、明らかに別の液体と思われる物が膜の様に漂っていて、光の具合で色々な色を発していた。
他にも、白い泡の塊や洗剤の空容器、ペットボトル、更には発泡スチロールまで流れてくる。
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