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教室内が激動に包まれた。それはそうだ。引いて開ける型ドアから何事も無かった様に現れたのは、金髪で、美少女で、どこからどう見ても子供にしか見えない、いわゆる金髪美少女だったからだ。
「かわいいー!」「ねぇ君、どこから来たの?」「ねぇねぇ!年いくつ?」「日本語喋れる?」などなどの、対転校生捕縛兵器・質問責めが発動され、金髪の少女は目を白黒させる事しか出来なかった。
「静かに!質問は休み時間にしなさい」
という女教師の苛立ち声で、一旦教室は静まり返ったがしかし、そうは問屋が卸すものかと質問ビッグウェーブが再来。
…流石にこのまま騒がせたままにしておくのは、少々迷惑だ。金髪少女は流れに取り残され、呆然と辺りを見やるのみ…大丈夫だろうか?
「…おい、お前ら?騒ぐのは一向に構わないが、彼女、驚いてるぞ?」
今更の様に告げられた言葉に反応を示したのは件の少女だけで、他の皆は聞こえてないのか聞く気がないのか、計叶の言葉を徹底スルー。
…とことんムカつく野郎共だが、もしかすると、こいつらなりに彼女の緊張をほぐしてやろうとしているのかもしれない。などという甘い期待は即刻切り捨てる。
…いやいや、こいつらが?ないないないない、まず有り得ない。仮にもしそうだとしたら、彼女を困らせる様な真似をするか?答えはノーだ。
…だとしたら何故?浮上してくる可能性は唯一つ、アピールに対する妨害への、つまり俺への仕返しだろう。
「ねぇ、そこのあなた」
…全く扱いにくい奴等だ。と今更ながら気付かされる。やれやれ、どうしたものか。
「ねぇってば!きこえないの?」
ぐいぐい、とかそんな効果音がしっくりくる感じで、制服の袖を引っ張られているのに気付いた。
真っ先に目に入ったのは巷で頻繁に見掛ける髪ごと痛んだ金色、ではなく、肩に届く長さの艶のある金髪。
ちなみに、計叶の身長は一般的に高いと判断される175cm。当然背の低い女子とかと話す時は見下ろす感じになる。
少女は中学生かと本気で思う程、制服姿がなんだかぎこちなかった。着ているというか着られている様な感じだ。
「やっときづいたわね、にんぎょうにはなしかけたのかとおもっちゃった」
…結構日本語喋れるのか、と一人で勝手に納得した。
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