エウレカ物語Ⅰ

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セレニア王国を出て、二人はセレニア街道を沿って歩いている。 煉瓦を敷き詰めてできた道に、夜につく街灯が立っている。 アフェは思わず、走り出した。 歩いてきた道の先を振り返ると、セレニアの象徴とも言える大きい門が見える。 アフェは、じっと見つめた。 がっしりと門は立ち、門の左右に美しいピンク色の花の木が立っている。 アフェは、しばらくの間見つめていたが、アラードのほうへと戻っていく。 アラードは、荷物から地図を取り出す。 地図を広げ、セレニアの隣国・ライル国を見る。  セレニアから、北の方向にライル国はあった。 アラードは、ライル国に指を置き上の方へと動かす。 「ライル国の北の方角に、サハナ大公国がある。そこに、カイトがいる。そいつに会えば、パンナの今の状況を知ることができるはずだ。アフェ、行くぞ。」と、アラードは言った。 「はい。アラード様。まずは、ライル国を目指すのですね?」 「そうだ。そこで、レンに仲間になってもらう。カイトは気難しい奴だからな。行くぞ。」 と、アラードは言うと、再び歩き出す。 アフェも、後ろからついて行く。 街道を抜けると、その先に休憩する場所があった。 アラードは、後ろにいるアフェを見やる。 疲れた表情はしていないものの、これからの長い旅のことを考えると、必ず途中で疲れていくはずだ。 そう考えたアラードは、休憩所に行き少し休息することにした。 休憩所で、アフェは荷物から本を取り出す。 「何個か、修得したのか?」 「はい。癒しの術と、火系の術と、水系の術を修得しました。あと少しで、体術も身に付けそうですわ。」 と、アフェは嬉しそうな表情で、答える。 風が吹いた。 春の訪れの風の舞。 その風の舞から、花の匂いがした。 「ラフテフの花の香りがします。」 と、アフェは言った。 「この先に、ラフテフの花畑があるみたいだな。あそこに、その看板が立てかけてある。」 と、アラードはまっすぐに指を指す。
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