ZEN / GOODNESS

5/21
前へ
/136ページ
次へ
「寝ちゃったか……。まだ、ツラいんだよね……」 眠った冬樹を自宅の冬樹のベッドに寝かせ、善が言った。 「善くん、帰ったの?」 部屋に女性が入ってきた。長い髪の毛を結いだ善と同い年ほどの女性。白鳳麻里。善の女房だ。 「うん……ただいま。 途中、病院で冬樹拾ってきたからちょっと遅くなった」 言って冬樹は麻里と一緒に部屋を出た。リビングに向かい、ソファーに深く座る。 「冬樹くん、大丈夫だった?」 「うん……すぐ退院出来たらしいから。何て事はなかったんじゃないかな」 善が言うと麻里が温かい紅茶をいれて持ってきた。 「ありがとう」 「……善くん」 「うん?」 紅茶を飲んでから善が麻里を向く。 「冬樹くんのお部屋、掃除してたら……こんなのが出てきたの」 麻里が善に紙を渡した。メモ帳に走り書きされたらしく、雑に破り取られ、ぐしゃぐしゃになった跡がある。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

536人が本棚に入れています
本棚に追加