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「……麻里がぐしゃぐしゃに?」
「ううん……。丸まって落ちてたの」
そっか、と善はメモを見ながら呟く。
死にたい、と楽になりたい、という言葉が何度も綴られていた。粗くて、雑な字の筆跡は冬樹の物だ。
「……死にたい、楽になりたい……。どんなに元気に、大人しく振る舞ってても、やっぱり内心はこうやって思っちゃうんだね……」
「……大丈夫かなぁ?冬樹くん……」
「大丈夫だよ。冬樹は心配されるのが一番嫌いなんだから。
……分かってても、割り切れない俺もいるんだけれど」
ため息をついて善はメモを握りしめた。それからゴミ箱に投げ入れる。
「さ、ご飯にしよう?お昼ご飯は何?」
辛気くささを吹き飛ばすように明るく善が言う。
「もう2時だけど……」
「麻里のご飯食べたくて帰ってきたんだよ。お願い、麻里」
両手を合わせて善は言った。
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