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「……いつの間に……眠ったんだろう……」
目を開け、自分のベッドの上だと気付くと冬樹は体を起こした。
枕元にある目覚まし時計。デジタル仕様のそれは午後10時だと伝えていた。
「……」
ベッドから降り、着替えてから部屋を出る。廊下を少し歩いてリビングに入った。
「……おはようございます」
ソファーに座ってテレビを見ていた麻里に冬樹が言った。
「もう夜だよ。ちゃんと眠れた?」
「はい……少し、夜風を浴びてきま――」
「冬樹!」
善の声。振り返ると風呂上がりなのか、髪が濡れ、上半身裸の善がいた。
「服着ないと風邪ひくよ?」
「俺はいいの。それより、冬樹。外出禁止」
「どうして?」
「夜だし、今日は寒いから。夜風なら窓開ければいいでしょ?」
言いながら善は冬樹をソファーに座らせた。
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