TOUKI / WINTER TREE

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「――はぁ……はぁ……」 ギターを落とし、少年は膝をついた。胸をおさえ、荒い動悸に耐えている。 「う……ぁ……!っ……く……!」 少年は綺麗な姿をしていた。年は17ほど。白く透き通っているように見える肌。端整で綺麗な顔。細見で、一見弱そうな体だが、儚い美しさにも似た不思議な魅力がある。 そんな少年とは裏腹に、もがき苦しむ姿は痛々しかった。声にならない悲鳴をもらし、胸をかきむしるようにしている。 「が……ぁ……!」 身につけた白いコート。暖かそうなそれも、少年が膝をついてもがくから、土色に汚れていた。 コートと同色の白いズボン。赤いカシミアのマフラーがアクセントになっているが、それも地面に落ちた。 「……あ゛ぁあぁ゛ぁ……!」 少年が体を倒した。尚も、少年はもがき続ける。足を曲げ、瞳から涙を流し、土色に汚れた格好で。 やがて、時間が経ち、少年は最後に大きく、びくりと体を動かすと静かになって、動かなくなった。 暗い雪夜を、僅かなネオンが照らし、人工的に染め上げていた――。
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