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がちゃり、と音を立てて扉は開いた。部屋の中は静かで、やはり荒れていた。奥は縁側になっており、小さな中庭が見える。
「な…にもいない…な…」
「だから大丈夫だって言ったでしょう?」
んふっと古泉が笑った。少しいらっときたが無視して部屋の中を見回した。特に変わった所はない。
「しかたない、他の部屋を探すか」
「とすると、さっきの囲炉裏の間の部屋ですかね。」
ここに来る途中に部屋がひとつあったが扉があかなかったので、そこは無視しようとした、のだが。
戻る途中に、またさっきの人影…女の姿だった…が現れ、さっきあかなかった扉に消えていった。
古泉が近寄って確かめてみると、どうやら扉は開いているようだった。
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