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中は他の部屋に比べ生活感があった。相変わらず人の気配はなかったが。
部屋の真ん中辺りからは蚊帳がつってあり、右半分はうっすらとしか見えなかったが、どうやら右側の壁には押し入れがあるようだった。押し入れの前には布団が敷いてあった。
「…古泉。」
「はい、なんでしょう」
「向こうの布団、まるで中に人が潜り込んでるみたいに盛り上がって見えるんだが俺の目の錯覚か…?」
「ええ、盛り上がってますね」
やはり古泉は爽やかに笑顔で答えた。…こいつを見てると恐怖を感じている自分が馬鹿馬鹿しくなってくるな。
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