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近づいて見ようと思い歩きだす。と、倉の格子の嵌められた小さい窓に人影が見えた。咄嗟に射影機を掴んだ。しかし、その人は俺を見て何か必死な顔で話かけてきた。
「八重…何故戻って来てしまったんだ…!」
どうやら俺を誰かと勘違いしているらしい。
「あ、いやあの…俺は…」
「まだ祭は始まっていない…紗重は黒澤の屋敷にいるだろう」
話を聞いていない…!しかし彼はどうして倉になんか閉じ込められているのだろう。真っ白な髪以外は普通の青年なのに。
「…黒澤家の門の鍵は、二つともそれぞれ村の何処かにある双子地蔵に隠されている。」
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