三ノ刻 大償

3/12

125人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
一人でずんずんと屋敷の奥に進んで行く。話し相手がいないおかげで聞こえてくる音と言えば俺の足音、床の軋み、外からの雨と雷の音だけだった。いつの間に降り出したのだろう。そう考えながら黙々と進み続けた。 外が見える縁側のような廊下(本来は何か名称があるのだろうか)の突き当たりの襖をあけると中は大広間のようだった。がらんとした空間の真ん中にぽつりと囲炉裏があり、その広間に沿うようにコの字にまた廊下が伸びている。 外見に違わず屋敷の中は相当な広さだった。  
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加