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仄かな明かり、光は左から差している。目を左に向けると、部屋の奥に置いてある背の低い衝立が見えた。
その障子貼りの衝立の向こう側、座り込み、何やら手に…人の頭ほどの大きさの物、に向かい、なにやら語りかけているシルエットが見えた。
シルエットは、華奢な少女のように見える。ぼそぼそと聞こえてくる声も、少女のそれだった。
(わたしたちのせいで)
恐る恐る、衝立に近づいてみる。いつでも構えられるように、射影器を片手に、ゆっくりと衝立の向こう側を覗き込む、と。
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