三ノ刻 大償

11/12

125人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
「こ…古泉…?!」 そこには古泉がいた。静かに目を閉じて、横たわっている。衝立に映る影は確実に少女のシルエットだったのに…これもゲームの使用か、と若干順応してしまった自分に少し嫌気が差す。 「おい古泉、起きやがれ」 傍らにしゃがみこみ、古泉の頬をぺちぺちと叩くと、僅かな刺激に反応するかのように、緩やかに瞼が開く。少し寝ぼけているような、はっきりしない目でこちらを見ている古泉。くそ、イケメンは寝ぼけていてもイケメンなのか。 「キョン、くん…」 ぼんやりした声。ぼんやりしたまま、古泉は少し上体を起こし、ゆるやかに抱きしめてきた。    
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加