きっかけは初夢

3/16
前へ
/132ページ
次へ
「ねぇ、和也夢に出てくると良いものってなんだっけ。」 和也が少し眠そうな目で私を見てきた。 「ん?トンビだっけ。」 「トンビかぁ、見るぞ~トンビ!」 和也はフッと笑って目を閉じた。 話し足りない私は和也にすがる。 「ねぇねぇ、和也は初夢見たことある?」 「あるよ。」 「え~!ずるい!どんなどんな?」 和也は赤ちゃんに子守唄を唄うような感じで話し始めた。 「そうだな…小学生の頃かな。」 うんうんと私は頷く。 「モチ食ってる夢見てたんだけど、起きてから本当にモチ食った。」 「当たり前でしょ~!!」 私は枕を掴んで和也の顔にバシバシ当てた。 「うわっ茜!やめろ!」 私はもっともっとロマンティックなのが見たいの! いや…その前にトンビ! いや…後でいいか… 私はバランスを崩し 和也に押し倒されてしまった。 「んっ」 私の吐息に和也がニヤリとしたのがわかった。 「茜…そういうことなら先に言えよ♪」 ちーがーう!! 私は和也の顔面に手を押し付け 私から和也を引き離した。 「ちぇっ」 和也は少しふてくされ横になったが 私を抱き寄せ、腕枕してくれた。 私はお餅より、メチャクチャいい夢見るんだからねっ ギュッと瞼を閉じてみた。
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加