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「ねぇ、和也夢に出てくると良いものってなんだっけ。」
和也が少し眠そうな目で私を見てきた。
「ん?トンビだっけ。」
「トンビかぁ、見るぞ~トンビ!」
和也はフッと笑って目を閉じた。
話し足りない私は和也にすがる。
「ねぇねぇ、和也は初夢見たことある?」
「あるよ。」
「え~!ずるい!どんなどんな?」
和也は赤ちゃんに子守唄を唄うような感じで話し始めた。
「そうだな…小学生の頃かな。」
うんうんと私は頷く。
「モチ食ってる夢見てたんだけど、起きてから本当にモチ食った。」
「当たり前でしょ~!!」
私は枕を掴んで和也の顔にバシバシ当てた。
「うわっ茜!やめろ!」
私はもっともっとロマンティックなのが見たいの!
いや…その前にトンビ!
いや…後でいいか…
私はバランスを崩し
和也に押し倒されてしまった。
「んっ」
私の吐息に和也がニヤリとしたのがわかった。
「茜…そういうことなら先に言えよ♪」
ちーがーう!!
私は和也の顔面に手を押し付け
私から和也を引き離した。
「ちぇっ」
和也は少しふてくされ横になったが
私を抱き寄せ、腕枕してくれた。
私はお餅より、メチャクチャいい夢見るんだからねっ
ギュッと瞼を閉じてみた。
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