きっかけは初夢

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「茜さ…ん。」 聞き慣れない声がする。 意識の朦朧とする中、私は一生懸命目を凝らした。 目の前に人の顔がある。 「んっ?」 視界がハッキリしてきた…。 目の前にいるのは男の人で目は切れ長、鼻はスッと高く超タイプ! 「あああ…貴方の名前を教えて下さい!」 「茜さん…何寝ぼけてるんですか、知ってるでしょ?」 頭の中のイケメンリストを片っ端から検索してみる… いるわけない、該当者無し! 少し冷静になりつつある私は彼の服装に目をやった。 中世の服? 白タイツにカボチャパンツ…? やだ…完全なる私の王子様?! また、クラクラしてきた。 「茜さん…大丈夫ですか?まだダメそうですね…。」 彼が私から離れようとする。 「ダメ!いかないで!」 私は彼に抱き付き胸に顔を埋めた。 「茜…さん!…わかりました、僕はどこにも行きません。」 彼も私を抱き締めてくれた。 なんて幸せだろう…。 「王子様…私を貴方の妻にして下さい!」 なんと言う事だ…。 私からプロポーズしてしまった。 「ほっ本気で言ってるんですか?!」 私は彼を見上げ、上目遣いで見つめた。
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