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「………なぁ槌屋。ホントに放課後尾行すんのか」
弁当を食べて、残った昼休みの時間を持て余して俺と槌屋はポーカーをすることにした。
華丘美羽はまだかえって来ていない。
「あぁ。だって情報を集めたいんだろ?」
槌屋は手札を三枚捨てて三枚引いた。
「それは情報を集めるっていわねぇよ。ただのストーカーじゃねぇか。
……ってかそんなことして華丘美羽の何がわかるんだよ」
くそ…全部揃ってねぇ……。
捨てだな。
「いつどこで何をしてるだとか……一日の動きを知る事ができるぞ。ツーペア」
「それをストーカーっつうんだよ!変態野郎。ノーペアだ!」
「へへへ…百円頂き」
俺達のするポーカーは金を賭ける。負けたら百円。
ロイヤルストレートフラッシュをだすと所持金全部だ。
まぁ奇跡でも起こらないかぎり滅多にない。
カードを混ぜて山札をつくり、そこから心の中で
「ずっと俺のターン!ドロー!」
と意味もなく叫びながら5枚引く。
「俺はそういう変態じみたのは嫌だ。っつうか常識的に駄目」
また揃ってないな……捨てだ。槌屋はニヤニヤしながら一枚すてる。
こいつ…フォーカードか。
「なら華丘美羽の情報収集はどうするんだよ?」
「そりゃお前会話しかないだろ。普通の事だし、その方が手っ取り早い」
山札からフォーカード以上のカードを願いながらドローする。
ここで逆転できるのが主人公!!
「は、そりゃ無理だって言ってんだろ。さっきの二人見ただろ?顔さえ見ないんだぜ!?奇跡でも起こらない限り会話は無理だ。
ストレートフラッシュ!!はっはっは!百円は頂きだぜ!」
「………奇跡ねぇ」
「どうせノーペアだろ?はい百円!」
俺は引いた手札を見て思わず笑みがこぼれた。
そう……
エグゾディアを……
引いたのだ!!
「奇跡……起きるかもしんねぇな?
ロイヤルストレートフラァァァァァッシュ!!!」
サイフがぱんぱんになった。
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