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「と…まぁそんな訳で。」
「どんな訳だぁぁぁ!!で、でも返事がないのは一緒なんだから…
ま、負けた訳じゃないんだからね!?いい気にならないで!このバカ戌!フン!」
………誰の使い魔だお前は。アホル○ズは放っておいて
俺は華丘美羽の元へ足を進めた。
華丘美羽は素晴らしく綺麗な姿勢で本を黙読中だ。
彼女が読んでいる本……むちゃくちゃ分厚いな……。
書いてる内容も難しい単語ばかり並んでる。
さすが秀才の超優等生……。
このくらい分厚かったらアホル○ズを殴って黙らせるのにちょうどいいな。
……俺結構リラックスしてるな。
「マサル戻れ!今なら間に合う!持って行かれるぞ!」
後ろでアホの錬金術師が何か言ってるが華麗にスルーしてさらに足をすすめる。
華丘美羽は本に夢中だ。
俺も木村達のようにM☆U☆S☆H☆Iされるんだろうか……。
気付けば教室の注目が俺に集まっていた。
相変わらずの錬金術師は無理だ!とか死ぬぞ!とかほざいてる。
お前一応友達なんだから応援してくれよ……。
あとでもっこもっこにしてやんよ。
そして華丘美羽の横に、本日三人目のチャレンジャーである、俺が来た。
その時、華丘美羽に変化に気付いた。
ページめくっていた手が止まっている。
黙読していたはずの綺麗な大きな瞳も動いていない。
どういうことだ………?
勇気を出して口を開いてみる。
「………集中してる時にごめんな?何の本読んでるんだ?」
しまったあああ!
モブ男子Aと同じ質問をしてしまったあああああ!!
何同じ事聞いてんだよ……俺のアホ!
と自分自身にツッコミを入れてから我に帰ると、驚くべき光景が目に入った。
華丘美羽が……俺を見つめてる。
1年前のあの図書館であった時と同じように。
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