001:ユウとミウ

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「と…まぁそんな訳で。」 「どんな訳だぁぁぁ!!で、でも返事がないのは一緒なんだから… ま、負けた訳じゃないんだからね!?いい気にならないで!このバカ戌!フン!」 ………誰の使い魔だお前は。アホル○ズは放っておいて 俺は華丘美羽の元へ足を進めた。 華丘美羽は素晴らしく綺麗な姿勢で本を黙読中だ。 彼女が読んでいる本……むちゃくちゃ分厚いな……。 書いてる内容も難しい単語ばかり並んでる。 さすが秀才の超優等生……。 このくらい分厚かったらアホル○ズを殴って黙らせるのにちょうどいいな。 ……俺結構リラックスしてるな。 「マサル戻れ!今なら間に合う!持って行かれるぞ!」 後ろでアホの錬金術師が何か言ってるが華麗にスルーしてさらに足をすすめる。 華丘美羽は本に夢中だ。 俺も木村達のようにM☆U☆S☆H☆Iされるんだろうか……。 気付けば教室の注目が俺に集まっていた。 相変わらずの錬金術師は無理だ!とか死ぬぞ!とかほざいてる。 お前一応友達なんだから応援してくれよ……。 あとでもっこもっこにしてやんよ。 そして華丘美羽の横に、本日三人目のチャレンジャーである、俺が来た。 その時、華丘美羽に変化に気付いた。 ページめくっていた手が止まっている。 黙読していたはずの綺麗な大きな瞳も動いていない。 どういうことだ………? 勇気を出して口を開いてみる。 「………集中してる時にごめんな?何の本読んでるんだ?」 しまったあああ! モブ男子Aと同じ質問をしてしまったあああああ!! 何同じ事聞いてんだよ……俺のアホ! と自分自身にツッコミを入れてから我に帰ると、驚くべき光景が目に入った。 華丘美羽が……俺を見つめてる。 1年前のあの図書館であった時と同じように。
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