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「あ、あの…俺……」
「華丘…みう…。名前、はなおか…みう…」
俺はとっくに知ってるのだが彼女は丁寧に自己紹介をしてくれた。
喋り方もなんと…まぁ……。
「あはは…知ってるよ?」
「知ってる?……どうして…?」
華丘美羽は不思議そうに首を傾げながら唇に指を置いてそう尋ねて来た。
どうやら有名な事は無自覚のようだ。
ってか行動の一つ一つが可愛いなオイ……。
「はーいマサルくーん!授業だから戻ろうね~?」
「ちょっ…おまっ…良いとこ!」
槌屋に連れ去られた事で華丘美羽との会話が終わってしまった。
華丘美羽は何事もなかったように授業の用意をしていた。
そんな訳で授業は始まってしまった。
「槌屋、見たか!奇跡を通り越して名前呼んでもらったぞ!俺の勝ちだな」
先生の話を無視してこそこそと槌屋に話しかける。
「へっ。名前間違えられてたじゃねーか!自慢にならねぇよ。
それになにも情報得られてないしイキがってんじゃねーよバクテリアが!」
くっそー…槌屋おっぱいストーカーの野郎……。
その後寝てしまった槌屋の背中をシャーペンでつついて眠りを妨げてやった。
ざまぁみろ!!!!!
俺の器はバクテリアくらいちっちゃい。
「よし…じゃあここの問題……難しいから華丘にやってもらおうかな?頼むわ」
指名された華丘美羽は静かに椅子を立ち、黒板に歩いていく。
しかし何だよこの問題……問題の意味もわかんねぇ。日本語書けよな……。
そんな難しい問題でも類まれなるの学力をもつ美少女、華丘美羽にとっては1+1=の問題くらい簡単なものなんだろう。
チョークの手を止める事なく黒板を訳のわからない式で埋めていく。
クラスのみんなは口をあんぐり開けて華丘美羽の解答をみていた。
ようやく手が止まり、答えが出た。
華丘美羽は無表情のまま淡々と席に戻る。
黒板に書かれた答えを見てブルーな先生。
「……教師やめようかな」
しかしながら槌屋の言う通り、会話できれば変化はあるかなとは思ったが何も変わらない。
当たり前だとはおもうが華丘美羽は俺の事何も思ってないだろな。
それでも告白しようと思う。
一年間……ずっと好きだったんだ。
駄目だと思うが後悔しないように気持ちだけでも伝えたい。
卒業してから後悔したくない。
しない後悔よりする後悔の方がいいと誰か言ってたな。
駄目だったらせめて友達からってことで。
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