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高嶺の花
そんな言葉はドラマや漫画の中だけに使われるものだと思ってた。
誰も手が届かないところに綺麗に凜と咲く花。
俺の通う花薫高校にはその言葉がぴったりの女の子がいた。
かなりの秀才でずば抜けた運動神経と美貌を併せ持つ。
ここの学校では有名な超優等生美少女。
その女の子の名前は
華丘 美羽。
彼女は無口で無表情。
いつも一人で誰ともコミュニケーションをとろうとしない。
何を考えてるのかわからない。
そんな謎めいた彼女に男子は誰も手がだせない。
まさに高嶺の花……いや、彼女の場合は名前からとって高嶺の華と言ったところだ。
俺はそんな手が届かないようなところに咲いている花が
どんな香りなのか……知りたくなったんだ。
俺の名前は神良 優(コウラ マサル)。
彼女いない歴=年齢
特徴もこれといってない普通の男子高校生。
村人Aくらいの存在感。
これからトラックに轢かれて、転生するかもしれないぐらいのモブ。
そんな俺は生き甲斐とか夢とか目標等というものは持っておらずぼーっとした気持ちで何の変哲もない高校生活を送っていた。
そんな何も香りをもたない俺の高校生活に華麗な香りが舞い込んだ。
華丘美羽という
高嶺の華の香りが。
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