001:ユウとミウ

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なんとか華丘美羽のロインIDを確認する事ができた。 友達一覧のところに華丘 美羽という名前が表示されている……嬉しすぎる! 友達じゃあ……ないけどな。 恋人…だけどなァ!! 「じゃあ今から送るな?友達登録しといてくれ」 すると華丘美羽のスマホから ポコチーン という音が聞こえた。 これが通知音? 素晴らしい。 「連絡……来た、こうらから……!」 なんとも嬉しそうにスマホの画面を見ている華丘美羽。 みう可愛いよみう 俺も誰かから通知が入って来た。 くそ……誰だ。 ツチヤ……? 誰だ……? 『何してんだ!早く部活来いよ!』 思い出した。 おっぱい野郎だ。紛らわしい。 ロイン名をおっぱい野郎に変えとこう。 ってか部活ほっぽって告白したんだっけ……。 あっさり返事貰えるとは思わなかったからなぁ。 しかもそれは俺が望んでいた返事だ。 あと少しで部活が始まるな……。 華丘美羽の顔を名残惜しくちらっと見る。 相変わらずの極上に可愛い顔は俺をじっと見つめてた。 くそぅ…まだ一緒にいたかったが……部活の顧問は怖いからな…こればっかりはしょうがない。 スマホをポケットしまい、ため息をつく。 「ごめん……今から部活でさ…もう行かなきゃ駄目なんだ……」 ポケットの中のスマホがふるえてる。 バイブのパターンでわかる。これは顧問からの電話…! 「こうら、何部…?」 「バスケットボール部なんだ。早くいかないと怖い顧問にどやされるから……もう行くね?ほんとにごめん!呼び出しといて勝手になんか……」 「ばすけっと……?」 「うん!じゃあ、また連絡するから!今日は良い返事くれて本当にありがとうな!」 スマホのバイブに急かされるように華丘美羽に手を振りながら体育館裏を後にし、猛ダッシュで体育館を目指す。 走りながら震える電話に急いで出る。 「はい!もしもs」 「早く来い。殺す」 それだけ言うと電話は切れた。 はわわ〜…(余裕) いつもならちびるほど怖い顧問からの電話だったのだが今の俺には上の空だ。 なんたって華丘美羽が俺の彼女になったから。 人生で初めての彼女が華丘か……。 うれしすぎて笑みをこぼしながら走る。 早く誰かに自慢してぇ。 誰も見たことのないあの可愛い笑顔と 俺のスマホにしか入っていない華丘美羽の名前を見せてぇ。 そんなウキウキ気分で体育館に向かう。
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