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俺はその着信音を聞いたことがある……!つい先程……!!
音が聞こえた方向に目を向けた。
まさかまさかまさかまさか……。
そのまさかだった。
目線の先には扉に身を半分隠して、スマホ画面をじっと見つめている淡い桃色の美少女がいた。
その女の子の視線はスマホ画面を見た後、俺と目があった。
その瞬間、華丘美羽は口元を少し緩めて小さく手を振った。
ビャア゛ア゛ア゛ア゛!!
俺が口をあんぐり開けて見ていると
なんと華丘美羽は靴を脱いで靴下で体育館に入ってきたと思ったら、制服のボタンがはちきれんばかりの二つのチョモランマを上下に揺らしながら
パタパタと駆け足で男子の間をするすると抜けて俺の目の前で立ち止まった。
サラサラの長い髪がふわりと浮いた。
「こうら、見つけた」
彼女は宝石のような輝く笑顔で嬉しそうにそう言った。
oh…my……god!!!!
ooooooooooh☆my☆god!!!!
体育館にいる男子全員がわらわらと集まってきて、あっという間に俺と華丘美羽を囲んだ。
そんな状況なのにもかかわらず、華丘美羽はニコニコしながら俺を見つめている。
「は、華丘……?なんでここまで?」
「こうら…!みう、華丘…いやって…言った……」
少し膨れっ面でそう言ってきた。
かぁいいなぁ……。
彼女は怒ってるつもりだが、俺にとっては癒しだ。
………はっ!いかんいかん
本人は真剣なんだ。
………意外にそういうこと気にするんだな。
かぁいいなぁ……。
「あぁ、ごめん……。み、みう?帰ったんじゃないのか?なんでここに………」
華丘美羽は両手を後ろに組み、上目使いで俺を見ながら口元をふわりと緩ませた。
「だって、みう……こうらの彼女だから」
たまりません………。
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