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「……まず情報収集だな」
とある休み時間に俺はボソリと呟いた。
俺の一つ前の席に座っている友達の槌屋(ツチヤ)が奇妙な顔をしてこちらに振り向いた。
「何が?」
「いや、華丘美羽だよ」
本人聞こえないように小さな声で呟き窓際に静かに座っている華丘美羽に目をやった。
新学期が始まったばかりの花薫高校の三年七組の男子は華丘美羽と一緒のクラスになれたことで歓喜に沸いている。
俺も三年七組のクラスの一人。
つまり、俺と華丘は同じクラスメートなわけだ。
教室という同じ空間に俺と華丘はいるのだが、彼女は全く別の空間にいるようだった。
華丘美羽はいつも通り一人でどの女子の輪にも入ろうとはせず、綺麗な姿勢でサラサラした絹のような薄い桃色の長い髪を窓から入る風になびかせて机の上の本を黙読している。
素晴らしい絵画を見ているようだ。
「華丘ってさ……胸でかいよな」
槌屋は突然今の俺の綺麗な心情をぶちこわすようなこといってきやがった。
おっぱい星人め……
眉間に手刀を喰らわせた。
「おまえはどこを見てるんだ」
「いってぇぇな!!お前も見てたんじゃねぇのかよおっぱい星人のくせに」
「おっぱい星っていう天体系があるのか?それにいつから俺はその星の住人になったんだ」
「男としてこの世に……生まれた時からだ!!!!!」
くだらねぇ……。
しかし槌屋のいう通りだ。おっぱい星人の事じゃねぇよ。
華丘美羽は身長が小柄ながらも、スレンダーで起伏の富んだ、制服を通してもわかるナイスバディの持ち主。
胸も横から見ても大きさがわかるくらい出ているのだ。
どこかの金持ち姉妹より大きいかもしれない。
おっぱい星人の話じゃなくておっぱいの話してました。
すいません。
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