70485人が本棚に入れています
本棚に追加
/286ページ
「つーか、マサル、情報収集ってなんだよ」
「あぁ、まだ言ってなかったな。俺、華丘の事好きになったから告白するよ。だから華丘の事を知りたいんだ」
「ヘッ」
……なんだそのむかつく顔は。
しかも男の一大決心を鼻で笑いやがったな。
槌屋の眉間にもう一度手刀を食らわせた。
「ホデュアッ」
槌屋はクセがすごい叫び声をあげて眉間を押さえながら机に伏した。
「鼻で笑うんじゃねーよ!こちとら真剣なんだぞ!」
「いや…真剣なのが余計に笑えホデュアッ」
もう一度眉間に手刀を叩き込んだ。
これに技名をつけよう。
その名もコーラ・チョップ。
この技は五回やると相手の頭がもこもこいい出すので四回までにしてほしい。
槌屋は本日三回目。
「お前は相手が誰だかわかってんのか!?華丘美羽だぞ華丘美羽」
「わかってる。だからどーしたっていうんだ」
「絶対フラれるに決まってる!これは真理だ。真理は残酷だが正しい……体の一部を持っていかれるぞ」
なんだそのチビ錬金術師みたいな理論は。
「決めつけんなよ!大体、華丘に告った奴なんてみたことないぞ」
「そりゃそうだろうな…華丘美羽はな、相手にしないんだよ」
「は?どういう…」
意味を問おうとしたその瞬間、授業の始まりを告げるチャイムがなった。
「じゃあ情報収集のために放課後から華丘を尾行しよう」
おっぱい星人はストーカーになった。
110番……110番……。
「はっ?駄目に決まってるだろそんなこと」
「華丘の事知りたいんだろ?ならやるしかない!」
「やるしかないって…う~ん…」
授業が終わってからすぐにいなくなってしまう華丘美羽を知るためにはそれしかないか……?
騒いでいたクラスは一斉に席に戻り、華丘美羽は読んでいた本にしおりをはさんでパタリと本を閉じた。
なんか華丘に悪い気もするが……。
しかし俺はこのあと、槌屋の言葉を理解する。
最初のコメントを投稿しよう!