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「は、華丘さん……何の本読んでるの?」
「………」
M☆U☆S☆H☆I
そう。無視だ。
無視してる。
そいつとの会話より本を読みたいのだ。
華丘美羽はそのまま変わらない調子でまたページをめくる。
まるでそいつが最初からいなかったかのように……。
「……びえううおおうエエエ!!!!」
そしてそいつは声にならない声で泣き叫んで笑う友達のところに戻った。
無視されたくらいで号泣するな……涙がもったいねぇ。←いいこと言った
いや、しかし…話し掛けられても微動だにしないなんて……。
華丘美羽……恐ろしい娘。
「どうだマサル。普通の会話もさせてもらえないのに告白なんてできるか?
できねぇよ。付き合える見込みがねぇ。これが告白現場を見ない原因だ。さっきの奴は多分感情を持って行かれたな……」
後半はわけがわからないが……成る程、誰も手が出せない訳だ。
さすが高嶺の華……こりゃ付き合えそうにもないか?
例え駄目でも…せめて友達にはなりたいな。
華丘はいつも一人で、同性の友達もいなくて。
あんなすました顔をしてるけど、寂しくない訳がない。
華丘は顔に出さないだけで心は凄く淋しいんだ。
………と思いたい今日この頃。
もっと華丘美羽に近づきたい。
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