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この街は戦争によって拡張した領土にあり、本土からは海を隔ててるくらい遠い。
そして、それはとある夜。いつもなら白都の明るさに張り合うようにして空に浮かぶ月が無い、新月の夜に、街を歩く一人の教会騎士が見つけた。
ピチャ…ピチャ…
と、水の跳ねる音と共に……。
水の音の正体は、薄暗い道に座り込む赤子。
戯れている水は母親から流れる血液。
血まみれで笑う赤子に、あの出血量…既に事切れているであろう母親。
出くわした教会騎士は、少し悲しそうな顔をした後、血まみれの赤子を抱きかかえ自分の家である教会に連れて帰った。
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