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返事は直ぐに来た。
欲深な長老会が領土拡大の妨げになる輩を放っておく筈が無いことをマジョロ神父は知っていたからだ。
返事はもちろん“YES”。セラフの喜ぶ顔が目に浮かぶ。
長老会からの封書を読み終えたマジョロはすぐさま使いを出して、この前の老人を呼んだ。
「答えが出た…単刀直入に言おう」
勝ち誇った顔のマジョロを見れば、言われずとも老人には答えが何かを知ることができた。
「我が国の教会の長老達にお前たちの事を話たのだ。そしたらこう言っていた」
「国に降ったのなら神も国に従え。神は調和と平和を愛す」
「………」
「調和を乱すならば異端とみなし騎士団を以て排除も厭わない。だ、そうだ」
「……わかりました。そう皆に伝えます」
俯き、答える老人は震えていた。
怒りか…はたまた恐れか…どちらにせよ、文明の差が武器の差だ。
騎士団が負ける理由は無い。
退室する老人を睨みつけ、マジョロは面倒を解決した気になった。
とりあえず、気分を害す物が消えるのだから…。
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