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吾が輩の名は銀杏
この世に生を授け早二十年
遺伝子上珍しい雄の三毛猫に産まれたが、種無し故 前の主に捨てられる寸前
幼い柚凜嬢に命を救われ この屋敷で何不自由無く育ってきた
老い先短いこの命 そろそろ主に恩返しせねばなるまい
‐‐‐
取り込み中の柚凜嬢に代わり 双子姉妹の様子を見に来れば……
卓袱台の上には山積みホットケーキ
それをプレートに盛り美味そうに頬張る菜帆嬢と喜李弥嬢の背後に回り 菜帆嬢の発展途上の乳と喜李弥嬢の小振りの尻を揉もうと両手を伸ばす金次郎の姿が目に入った
威嚇の体勢を取る間も惜しい
瞬時に卓袱台の端に飛び乗るとホットケーキを飛び越え だらしなく弛み切った表情の金次郎の鼻っ柱目掛け爪立てスラッシュ
『お嬢が見とらんトコロで何しとんじゃ貴様ああぁぁぁ!!!!(猫語)』
「Σギャ―!!」
「「Σきんちゃーん!!(;口;)」」
それでも吾が輩の怒りは治まらず 空中で一回転し金次郎の背後に着地
すぐさま振り返ると金次郎の頭の上に飛び乗って長い黒髪に爪を立てた
「い…痛いがな、銀杏!!」
吾が輩の身体を引き剥がそうと伸ばされた金次郎の手を威嚇声と共に猫パンチで応戦
柚凜嬢が居ながら何と言う不埒な行動!!!!
油断も隙もあったモンじゃない!!
吾が輩の目が黒い内は、菜帆嬢と喜李弥嬢には指一本触れさせん!!!
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