木の下の少女

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日が傾き始めた。 待ち人はまだ来ない。 少女も疲れたのだろう。私の体に自分の体をくっつける。 少女の体温は私の中に熱を放し、私の体は少しだけ熱を帯びた。 堅い私の体に自分の柔らかい体を寄せ、暖かい涙が流れるのを必死に留めていた。 私は彼女をとても愛しく思った。
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