~奇妙な関係~

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「あ・・・・主?」 ナナは聞き間違いだと思った。ナナは自分で主と呼ばれる事なんてしてないし、そもそも目の前にいる男は初対面だった。 「そう、主。貴方は間違いなく私、ナーテの主、奈那美殿だ。」 そんな事言われてもあんたみたいなRPGゲームに出てきそうな格好している奴の知り合いはいないけど。 ナナが男の服装を気になるのも無理はなかった。 淡い水色の肩までの長さの髪。深緑の瞳。それだけでも中々珍しいのに、レモン色の臑まであるワンピースのような造りの服。服の中心には拳程度の大きさの丸い釦が縦に並んでいる。足は黒いタイツを纏っており、爪先が尖んがっている茶色い靴を履いている。 「おっと自己紹介が遅れました。」 ナナの目の前に立っている男は手櫛で髪を簡単に整え、礼をした。「私の名前はナーテ。貴方が先程まで持っていたサックスです。」 「・・・・・はい?」ナナは思わず口に出す。余りにも予想外過ぎる答えに口に出さずにはいられなかった。 「まあ、突然こんな事言われても信じてくれないですよね?少し長いですが説明しますね。」
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