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「ナーテという名は私がラルゴと対峙した時の本名からとった物でしてね。・・・あっ!ちなみに私は肉体は朽ち果て、存在しませんが精神だけはこの世に在りまして、四百年前から現代まで先程まで主がいた建物を拠点としてこの世界を行く末を傍観してましてね。そんな時主が現れ、サックスを私にぶつけるものですから・・・。このような姿になってしまったって事ですよ。」
「・・・私、貴方にぶつけました?」
確かにナナはサックスを誰にもぶつけていない。化け物にしか会っていないのだから。
「主、怪物に襲われそうになってた時石版にサックスぶつけませんでした?あの石版、というより建物全体が私を祭ったものでして、石版自体が私だったんです。」
そういえばぶつけた気もしなくない。パニック状態であまり覚えていない。
・・・・と言うか。
「私がここに来た理由早く教えてよ!!」
ナナはつい軽く怒鳴ってしまう。
「あっ!そうでしたね。ラルゴが復活をし、現代に至るまでビーレを支配したのまでは話しましたね?」
ナナは頷く。
「ラルゴを封印した禁断の力は代償が命というほどであって、中々解けません。それこそ神でもないと。・・・ラルゴの封印を解いたのは神といっても過言でないほど強力な力の持ち主です。名は「シャープ」という女性。貴方がここに飛ばされたのも奴の仕業ではないかと私は推測しているのです。」
頭に浮かぶ-。気を失う直前聞いた言葉。
-大切なものを奪う。
「記憶が曖昧なんだけど・・・」
ナナはぽつりと、突拍子もなく呟いた。
「ここに来る前女性の声が聞こえた。大切なものをうばうって。」ナーテは目を見開いた。ひどく驚いている。「それで・・・主の体に変化は・・・。」
「変化っていうか・・・・そうそう楽器が吹けなくなったわ。」
ナーテは唇を噛み締めた。
「やはり・・・私の考えが確かならば・・・・。」
ナーテが険しい表情するなんて。
あんなでかい化け物も余裕で倒せるのに
英雄なのにね。
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