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「やべえ!!遅刻するぞ!!遅刻!!」
人々の間を駆け抜ける男子生徒が二人。
「亜流ッ!!今何時だ!!」
ボウズ頭の男が息を切らせつつ叫ぶような声で言った。
「・・・8時25分・・・・。間に合うか?直人。」
亜流(アル)、と呼ばれた男は冷静に答えた。
それを聞くなりボウズ頭の男-直人は「際どい!」と短く答え、スピードを上げた。亜流も直人のスピードに合わせる。学校まであと数百メートル。この速度なら間に合う。後はあそこの角を曲がれば学校はすぐ見える。・・・・・と二人は思ってた。
「嘘だろ・・・。」
肩を落とす直人とちょっと唖然とする亜流の目の前にあるのは
『工事の為、通行禁止。』の看板。
結局二人は遠回りをし、学校に着いたのは8時35分。
「お前ら何回遅刻してると思ってんだ!!」職員室で怒鳴り声が響く。
怒られてるのは当然ながら亜流と直人。直人が下手な言い訳した為尚更先生に怒られるはめになった。
説教され、反省文を書かされたものの、直人と亜流はたいした懲りた様子もなく、堂々とした態度で教室に向かった。
「お前ら今日で十回目の遅刻だぞ!!」
「また説教されたろ?!」
遅刻魔の二人に注目が集まり、一気にクラス中が笑い声に包まれる。
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