我、盾となりて守るもの也

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薫side 「この扇子はですね・・・」 スラッと広げて見せると、そこには風流なものとはかけ離れた威圧感が感じられた 薫は背後の赤い線が額に移動し続けるのを警戒しながら遙に説明していく 「二人共・・・そこを動いちゃいけませんよ?」 そういうと、扇子を両方とも広げ二人の顔をの前で軽く振った 「あっ・・・この臭い」 遙が何か気付いたように薫を見返した 「っそ、これは鉄扇て言って鉄でできてるんだ。しかも只の鉄じゃなくてね・・・」 ふと見ると、遙の額まじかまで赤点が近づいたかと思うと、すぐさまもう一つの点が由美の額に点灯したのだ それに気付いた由美は体を強張らせた 「この鉄扇の内側には物凄い金属が入ってるんだ~、中国の武器で、攻撃に使われてたんだけど俺の場合は・・・」 スウウっと赤点が額で固定された その瞬間 ダン!!ダン!! カン!!カン!!! 遠くから銃声・・・・そしてガラスの割れる音の後、目の前で金属と金属がぶつかる音が聞こえた 「こうやって、防御専門で使うんだよ」 二人の顔の前に広げられた黒い塊・・・そしてそこから出る煙・・・ 落ちる金属塊。 今まさに目の前に飛んできた銃弾がこの扇子によって防がれそして自分たちは生き延びた・・・・ そう二人は感じ取り、その場で尻餅をついてしまった
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