或ル死神ノ話◇弐

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 高台の自然公園。ここには四季それぞれの色を見せてくれる並木道があり老若男女問わず親しまれていて、いつ訪れても多くの人の姿が見られる憩いの場。  私は今その並木道の途中にある街を一望できる開けた場所にいる。  なんでそんな場所にいるのかって?  それはこの人――本人曰く死神さん――が場所を変えようって提案してきたからよ。この人はちょっと変だけど悪い人じゃないと思う。こういう勘は昔から良いから一応は信じられる。  場所は私が決めていいって事だから一応人の多い場所を選んだ。それがこの高台の公園。  ここにはいつも多くの人がいる……はず、なのに。
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