或ル死神ノ話◇弐

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 視線を外すのも躊躇(ためら)われたのでそのままターゲットを観察し、事前の情報と照らし合わせる。  ヒト、性別は女、年齢は25、若いが仕事ができて気が利くので社内での評判もいい。そして―― 「あ、あの……私になにか用ですか?」 「(お、珍しいな……)」  こんな格好をした奴を見れば普通は引く、警察に通報される事もある。同僚の中にやられた奴が何人もいるらしい。まあ、俺達が捕まる事はありえないが。  彼女は少々怯えているようだがそれでも俺に声をかけてきた。なかなか肝が据わっている。 「あの……?」  ――時間だ。
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