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愛美が自社の製品でもあるコーヒーサーバーでコーヒーを入れ、良い匂いを漂わせ、部署内の男性社員達に笑顔で配る。
そして、最後に花澄の元へと近付いていく。
花澄は自分のデスクに座り、パソコン画面を見ながら忙しくキーボードを叩いている。
他の社員が朝礼迄、朝の一時を会話を交わし楽しむ中、花澄の朝の一時は愛美にさせた受発注書等の確認から始まる。
「花澄先輩、コーヒー入れました」
愛美が笑顔で花澄のデスクにコーヒーを置く。
「……ちょっと、林原さん。これ見て…」
明らかに不満と苛立ちを含ませる花澄の低い声に、愛美はオドオドとパソコン画面を覗き込む。
画面には手元にある、男性社員が頼んだ見積書を全く別の会社の名前にして作られた見積書が映ってある。
「あれ…? 名前違ってますよ?」
愛美が不思議な顔で言う。
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