日常

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[はぁ…行きたくない… 毎週の事ながら、月曜日の朝は憂鬱で仕方がない]  太陽も昇りきった午前8時過ぎ。朝の通勤ラッシュはひとたび、慌ただしさを煽る様な喧騒を覗かせる。2分と経たない内に来る電車。ヒールと革靴の音。渋滞する道路。携帯で話をする女子高生。ほんの何時間前迄の静けさが嘘の様に、街中が人、人、人で溢れかえる。そんな、人で溢れかえる通勤ラッシュの中にいる女性。      カワイ カスミ 25歳の 河合 花澄。  中小企業の営業事務をしている。専門学校を卒業し今の会社に入社し早5年。仕事もそつなくこなし始めた最近は、新人への指導も加わり、忙しさに拍車のかかった毎日を送っている。  けど、花澄が一番行きたくないと思っている理由…それは指導を任された新人社員のある女が原因だった。  ため息を零しながら、満員電車に揺られてる彼女とは裏腹に、速度は落ちる事なく軽快に会社のある最寄り駅へと着く。  
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