郵便でーす

2/7
前へ
/7ページ
次へ
深夜三時。 トウコは誰もいない部屋のドアを開けながら、小さな声で「ただいま」と言った。 もちろん、返事はない。 静まりかえった部屋をながめ、軽くため息、トウコはパンプスを脱ぎすて、中へ入っていった。 身体には、気だるさが残る。 鍵を所定の位置に起き、ピアス、指輪をアクセサリーケースにしまう。 カーテンを閉めようとするが、月明かりで部屋が明るいので、そのままにしておく。 なので、部屋の電気もつけず。 冷蔵庫から缶ビールを取り出し、開けた。 プシュ 窓辺のソファに座り込んで、テーブルのタバコに手をのばした時。 その時、気付いた。 テーブルの上に、見た事のない手紙。 白い封筒。 宛先はなく、ただ、ミハラトウコ様、と書いてある。 トウコは一瞬動きを止めながらも、タバコをとり、火をつけた。 ふぅ そして、くわえタバコ。 封筒の頭を破り、中身を取り出すと、ビールを一口。 月明かりの中、手紙を読み始めた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加