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深夜三時。
トウコは誰もいない部屋のドアを開けながら、小さな声で「ただいま」と言った。
もちろん、返事はない。
静まりかえった部屋をながめ、軽くため息、トウコはパンプスを脱ぎすて、中へ入っていった。
身体には、気だるさが残る。
鍵を所定の位置に起き、ピアス、指輪をアクセサリーケースにしまう。
カーテンを閉めようとするが、月明かりで部屋が明るいので、そのままにしておく。
なので、部屋の電気もつけず。
冷蔵庫から缶ビールを取り出し、開けた。
プシュ
窓辺のソファに座り込んで、テーブルのタバコに手をのばした時。
その時、気付いた。
テーブルの上に、見た事のない手紙。
白い封筒。
宛先はなく、ただ、ミハラトウコ様、と書いてある。
トウコは一瞬動きを止めながらも、タバコをとり、火をつけた。
ふぅ
そして、くわえタバコ。
封筒の頭を破り、中身を取り出すと、ビールを一口。
月明かりの中、手紙を読み始めた。
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