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「うん…
うん…
分かってるよ。」
シンプルな造りの部屋の中ソファーにもたれながら母親からの電話を受ける。
『もういい加減にしなさいよ?なんでお婆ちゃんのお墓に手を合わせてあげないの?
あんたお婆ちゃん大好きだったじゃない。』
視線を窓の外の街灯に向けながら口ごもる。
『…大好きだったからこそつらいのは分かるけどね。
でもあれは事故だったんだから…』
うつむいて唇を噛み締める。
その目には少し涙がにじみはじめていた。
『…とにかく今年で三回忌なんだから家にきなさいよ?
みんな待ってるから…』
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