絵梨菜の場合

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「はぁ~、お金かぁ・・・」 「そっ、お金お金」 「ウリでもして稼ぐ?」 「却下」 「だよね~。絢みたくはなりたくないよねぇ」 「まぁねぇ・・・」 「・・・」 「・・・」 しばしの沈黙さえ無駄に感じてきた私は、別に行きたくもないのにトイレに立った。 トイレに入り、鏡の前で適当に髪をいじる。 鏡に映る私はどうしようもなくダラシナイ顔をしている。 まったく可愛くない。 手を洗い、軽く溜息をついてトイレから出る。 席に向かって歩いていると、冴絵がボーッとしている。 私が席に戻っても、冴絵はまだボーッとしている。
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